赤いのか、紅いのか、朱色いのか?

首里城の正殿に行くまでにはいくつかの門をくぐらないといけませんが、第1の門『歓会門』を通って、『龍樋』という今まで一度も枯れたことがないと言われる井戸を横に見ながら階段を上ると、第2の門『瑞泉門』に差し掛かります。ここから第3の門『漏刻門』、第4の門『広福門』を抜けるまでは無料のスペースですが、最後の『奉神門』の向う側に入るには入場料を払わねばなりません。今まで通った門と違って、かなり大きい『奉神門』をくぐると、正面に鮮やかに彩られた首里城正殿が鎮座しています。
首里城というのは、熊本城等の日本の戦国期の代表的なお城と違って、儀式や政務を司る場所という面が濃厚なので、高い石垣以外にはまともに実戦を意識した建物はありません。それだけ統治に自信があったのかもしれませんが、日本人の代表的な“城”のイメージとはだいぶ違うように思えます。
正殿を正面に見て右側から『南殿』に入り各種展示品を見て、『書院』に入ります。ここは国王の執務や中国や薩摩藩の使者の接待などに使ったそうですが、首里城内でも珍しい畳敷きの部屋があり、茶室まで用意されています。板の間が多いなかで急に日本的な風景が出てくるので、少し面くらってしまいました。
いよいよ正殿に入ると、主に儀式を行うことを目的にされた空間なので、どこか大きな寺院を想わせるような雰囲気がします。もっとも、こんなに真っ赤かなお寺があったら大変ですが。特に国王の玉座は豪華絢爛なもので、琉球衣装を着た国王のろう人形でも置いておけば、今でも当時の雰囲気が味あえそうな素晴らしい物です。ていうか、おらが座ってみたいわ(笑)
『北殿』には正殿の中庭で儀式を行うようすがジオラマで再現されており、どのように儀式が行われていたのか、よくわかるようになっています。ジオラマ以外のスペースはお土産屋さんですが、特に心惹かれるようなものがなかったので、何も買わずに外に出ました。