日本の南の果て、波照間島の泡盛

今日は飛行機で東京へ戻るのでダイビングができない為、石垣島周辺の観光ということになるのですが、困ったことにマリンスポーツ的なことをする以外で何か観光めいたことをしようとしても、石垣島は選択肢が少ない。最終日くらいはのんびりしようと思い、ホテルで八重山諸島の観光パンフを見ていて思いついたのが、他の島へ観光に行くことでした。
すぐ隣の西表島や日本最西端の与那国島、他にも色々な島が船便で結ばれているのですが、時間の都合を考えて、比較的近くて、島全体の観光がバスで簡単にできる波照間島へ行くことにしました。

石垣島から波照間島までは高速船で約1時間。船の往復にガイド付きのバスツアーをつけて丁度、1万円というので、離島ターミナルの中にある船会社のツアーデスクに申し込み、出港までの時間をブルーシールのアイスなどを食べながら過ごしました。おらが高速船に乗り込むと一番前の席が空いていたので、何もためらうことなく窓側に座り、いよいよ出港。出港して間もなく、20分ほど経ってから船の上下の揺れが激しくなりだし、ほとんど遊園地のアトラクション状態。目の前の手すりに手を掴まっていないと危険な感じなので、しっかり手すりを握りながら、船酔い対策に遠くの雲を眺め続けていました。ようやく波照間島に近づき、波が収まってきたので人心地ついて船の中を見渡すと、入り口のところに「船は前の方が揺れます」の張り紙が。なるほど、一番前の席が空いてるわけだ・・・。

波照間港に着き、観光バスに向かうとまだ誰もいなかったので、写真を撮るのに都合がいい、運転手側とは反対の最前列の席に座り、待つことしばし。どうやら、おら以外の人は全員、別のツアーで、昼食も波照間島で食べて帰るという内容だそうで、案内の人に船の待合所で説明を受けているようでした。しばらくして団体様が一斉にやってきて、バスは満席になり出発。更に他のツアーがあるようで、別のバスの後をついて行く形になりました。

最初に向かったのが、共同売店と郵便局のある名石。ガイドも兼ねる運転手が、ここの売店では波照間島で作られている泡盛「泡波」が売ってますと言うと、一部の乗客達の雰囲気が一斉に変わり、これからジャングルに虎でも狩りに行くんじゃないかという有様。それもそのはず、この「泡波」というお酒は流通量が非常に少なく、“幻の泡盛”とまで言われるシロモノだそうで、おらも運が良ければ飲めるかしらん、と思っていましたが、これは他の乗客をぶっ飛ばしてでも買わねぇとなと物騒な考えが沸き起こらざるをえませんでした。バスが売店や郵便局に囲まれた広場に到着するやいなや、最前列に座っていた利点を生かして、いの一番にダッシュし、売店に駆け込みました。売っているのは一番小さい小瓶のタイプですが、会社の同僚へのお土産を含めて、8本ほど買いました。あとから来る客も小瓶を籠に入れて激しい争奪戦です。ああ、人間とはかくも浅ましい生き物なのか・・・。