さらば、夏の休暇

石垣島離島ターミナルに到着し、朝はまだ営業していなかった食堂「くわっちー」に行き、マグロ丼のセットで遅めのお昼御飯。実は石垣島ではマグロ漁が行われており、昨晩ネットで調べて、このお店の事を知ったので、今日のお昼はここで!と決めていました。セットで出てくる八重山そばもおいしく、とても当たりでした。食べながら気がついた「石垣島牛のハンバーグカレー」も美味そうだったので、次の機会には食べてみたいものです。ていうか、昼食と夕食はここでいいんじゃね?と思わせるような、豊富なメニューでした。

石垣島空港から那覇へ向かい、適当にお土産屋を眺めて時間をつぶしてから、最後の沖縄グルメ「よもぎそば」にチャレンジ。麺にヨモギを練り込んだ、非常にくせのある食べ物ですが、意外と出汁とマッチしていてヨモギの苦さとかはあまり感じず、結構、美味。今回の沖縄旅行はかなりグルメ的に充実した旅行だったと思います。次の機会は来年になりそうですが、やはりいいところですね、沖縄。

沖縄で一番美しい海

バスに戻り、最後の観光地、ニシ浜へ向かいます。島の北西にある浜辺で、“ニシ”とは島の言葉で「北」になります。ちなみに「西」はイリ、ニシ浜の南側の浜辺は、「南」を意味する言葉のついた、ペー浜があります。このニシ浜は日本最南端の海水浴場であると共に、“沖縄で一番美しい海”が見られる場所と呼ばれています。期待に胸を躍らせながら、バスに揺られること10分ほどで、浜辺に到着。

ここは日本か・・・?と言いたくなるようなクリームソーダのような色をした海が目の前に広がっていました。砂浜には海水浴の客がいましたが、泳いでる客よりも写真を撮ってる客が多いくらいで、中には遠浅の海に入り、沖の方を撮っている人もいました。浜辺でゴロゴロするような優雅な生活とは無縁のおらですが、ちょっとここだけはまた来て、夕陽が沈むまでゴロゴロしていたいなと思わずにはいられない美しい海でした。ていうか、あの海の美しさは、言葉で説明しきれません(笑)

他の客は島で昼食を取るので、おら一人の貸し切り状態のバスに乗って船着き場へ。船着き場の中にあるお土産屋さんで、Tシャツと「日本最南端の証」という証明書を購入して、再び船へ乗りこみました。既に昨日の夜、宿泊していた人達と思われる人たちで船内は埋まっており、またもや一番先頭の席に座る羽目に。まぁ、今回は揺れるのがわかってますから、来た時ほど帰りの船は困りませんでしたが。

日本最南端の碑

バスは名石を出て、島の北側にある「シムスケー」とよばれる古井戸の跡へ向かいました。島の水事情が昔から大変だった話を聞き、さもありなんとうなづくことしきり。実験用に設置された風力発電の風車(中で雑草が生えるのを防ぐために山羊が飼われていました)や、航空会社が路線を撤退してしまい、今や誰も使うことなき波照間空港を横に見ながら、いよいよ日本最南端の碑のあるところに到着。おらはあまり他の観光客が映った写真は好きではないので、これまたダッシュで石碑まで行き、何枚か撮影してから落ち着いて周りを見て歩くことにしました。

実は石碑は3つあり、一つは一番大きい「日本最南端平和の碑」と書かれた竹富町の設置したもので、もう一つは日の丸のプレート、3つ目が民間の学生が建てたのに一番有名な「日本最南端之碑」です。正確に言えば、日本の最南端は小笠原諸島の「沖ノ鳥島」なんですが、ここは一般人が立ち入ることのかなわぬ地なので、現在、有人島において日本最南端の波照間島が、一般人が行ける最南端ということになります。ちなみに現在の日本の東西南北の領土上の一番端と一般人が行くことができる一番端が同じなのは、日本最西端の与那国島の西崎というところだそうですが、ここもいつかは行ってみたいところです。

石碑の近くには、日本国内48都道府県から持ち寄った石を埋め込んで作った「蛇の道」なるものがありましたが、思ったよりもしょぼかった(笑)どちらかというと、石碑から南の島の端の方へ行くと見られる、洞窟の間を荒波が何度も打ちつけるポイントの方が、おらには印象的でした。

日本の南の果て、波照間島の泡盛

今日は飛行機で東京へ戻るのでダイビングができない為、石垣島周辺の観光ということになるのですが、困ったことにマリンスポーツ的なことをする以外で何か観光めいたことをしようとしても、石垣島は選択肢が少ない。最終日くらいはのんびりしようと思い、ホテルで八重山諸島の観光パンフを見ていて思いついたのが、他の島へ観光に行くことでした。
すぐ隣の西表島や日本最西端の与那国島、他にも色々な島が船便で結ばれているのですが、時間の都合を考えて、比較的近くて、島全体の観光がバスで簡単にできる波照間島へ行くことにしました。

石垣島から波照間島までは高速船で約1時間。船の往復にガイド付きのバスツアーをつけて丁度、1万円というので、離島ターミナルの中にある船会社のツアーデスクに申し込み、出港までの時間をブルーシールのアイスなどを食べながら過ごしました。おらが高速船に乗り込むと一番前の席が空いていたので、何もためらうことなく窓側に座り、いよいよ出港。出港して間もなく、20分ほど経ってから船の上下の揺れが激しくなりだし、ほとんど遊園地のアトラクション状態。目の前の手すりに手を掴まっていないと危険な感じなので、しっかり手すりを握りながら、船酔い対策に遠くの雲を眺め続けていました。ようやく波照間島に近づき、波が収まってきたので人心地ついて船の中を見渡すと、入り口のところに「船は前の方が揺れます」の張り紙が。なるほど、一番前の席が空いてるわけだ・・・。

波照間港に着き、観光バスに向かうとまだ誰もいなかったので、写真を撮るのに都合がいい、運転手側とは反対の最前列の席に座り、待つことしばし。どうやら、おら以外の人は全員、別のツアーで、昼食も波照間島で食べて帰るという内容だそうで、案内の人に船の待合所で説明を受けているようでした。しばらくして団体様が一斉にやってきて、バスは満席になり出発。更に他のツアーがあるようで、別のバスの後をついて行く形になりました。

最初に向かったのが、共同売店と郵便局のある名石。ガイドも兼ねる運転手が、ここの売店では波照間島で作られている泡盛「泡波」が売ってますと言うと、一部の乗客達の雰囲気が一斉に変わり、これからジャングルに虎でも狩りに行くんじゃないかという有様。それもそのはず、この「泡波」というお酒は流通量が非常に少なく、“幻の泡盛”とまで言われるシロモノだそうで、おらも運が良ければ飲めるかしらん、と思っていましたが、これは他の乗客をぶっ飛ばしてでも買わねぇとなと物騒な考えが沸き起こらざるをえませんでした。バスが売店や郵便局に囲まれた広場に到着するやいなや、最前列に座っていた利点を生かして、いの一番にダッシュし、売店に駆け込みました。売っているのは一番小さい小瓶のタイプですが、会社の同僚へのお土産を含めて、8本ほど買いました。あとから来る客も小瓶を籠に入れて激しい争奪戦です。ああ、人間とはかくも浅ましい生き物なのか・・・。

これなら雨も悪くないかも

他のお客さんは3本目を潜るのですが、おらは体力的に無理しないほうがいいと思って2本目で終了。みんなが潜っている間、船の上で横になって昼寝していました。南の島の海で船に揺られて昼寝とか、素晴らしい贅沢です。この5日間で密かに疲れがたまっていたのか、ぐっすりと寝てしまいました。3本目を終えて他のお客さんが戻ってきたので、港に戻りショップに帰ってログづけ。おらはこのログづけをしっかりするかどうかが、ショップ選びのポイントのひとつなのです。今日、撮った写真を見せあいながら、盛り上がるひと時は一日のダイビングの〆として、欠かせません。出されたお茶を飲みながらサツマイモの餡の入ったアンパンを食べ、他のお客さんと話をしていると、ショップの目の前の海に虹がかかっていました。気がついてすぐに1枚撮り、急いで広角レンズを取りに荷物置き場に行きましたが、戻ってきたときにはほとんど消えてしまっていました。1枚だけでも撮れてよかったかな。
この後、ホテルに送ってもらい器材をホテルに備え付けの大型乾燥機に入れて一休みしてから晩御飯を食べに市街地の方へ徒歩で向かいました。この『東急イン石垣島』というホテルは、ダイバー出身の人が支配人をしているので、先程のウェットスーツが干せる大型乾燥機や。器材の洗い場などが常設されている上、通称『和尚割り』と言われるダイバー専用の割引があるとても素晴らしいホテルです。ちなみに“和尚”とは某ダイビング雑誌でとてもタメになる記事を連載中のイントラさんのあだ名で、この人が石垣島に来た時の定宿としてホテルを紹介した時に作られた割引なので、この名がついています。
胃の具合を考えて、石垣牛のステーキなどを食べたいのを堪え、八重山そばのお店に行き1杯を軽く平らげ、胃の調子を確認してから『A&W』でハンバーガーのセットを持ち帰りで頼み、ホテルに帰還。明日の最終日をどう過ごすか、ホテルの備え付けのパソコンで色々調べたりしながら寝るまでの時間を過ごしました。

やっぱり魚の量がハンパないわ

出すものを出してスッキリしたので、早速、1本目のダイビングですが、ポイント名は『樹下美人』。前に来た時にも潜ったポイントですが、幾つもの根にスズメダイやハナダイの仲間が群れになっていて、とてもおら好みの場所です。春に生まれた稚魚が、サンゴの枝にまとわりつくようにしてあちこちで群れを作っていましたが、赤いアカネハナゴイやキンギョハナダイと青いデバスズメやルリスズメが特に美しさという面で目を引きました。やっぱり、魚とサンゴの量はケタ違いでした。
船に戻って次のポイントに移動している間、ずっと石垣島の小高い山を眺めて船酔いを抑えていたおかげで、無事に到着。2本目は『荒川』というポイントで、根から少し離れると砂地が広がっており、ガーデンイールという魚が群れを作っている場所があります。この魚は文字通り、ウナギのように細長い体をしていて、身体のほとんどを砂地に掘った巣穴に隠し、頭だけ出して流れてくるプランクトンを食べるという習性の持ち主です。非常に憶病なので、写真に撮るのが非常に難しく、おらも2,3回は目にしていますが、近くによって写真を盗れたことは一度もありません。水族館は別ですがね。
海に入ると、ガイドさんが手招きして呼んでいるので、そばに行って指さす方を見てみると、ヤッコエイがお昼寝中。ゆっくり近づいて行きましたが、途中で気がつかれてしまい、どこかに行ってしまいました。ごめんよ。更に先に進むと砂地だけになり、ガーデンイールの群れがいる場所に到着。潮の流れ的に下流の方から匍匐前進するような感じで少しづつ進んでは1枚撮り、少しづつ進んでは1枚撮りを繰り返し、ついに2mほど手前まで寄ることに成功。ガーデンイールの目にピントを合わせるようにして何枚も写真を撮ることができました。
ガーデンイールの撮影会の後は、近くの根に移動して何かいないか探しているとハナミノカサゴのペアやオトヒメエビに遭遇。後で調べてみたら、前に来た時にもここでハナミノカサゴに会っていたので、ひょっとしたら同じ固体だったのかも?
残り15分ほどで船の方へ移動していくと、ガイドさんが砂地の方を指さしているので、訳の分らぬままカメラを向けてみると、何やら黒い物があります。それが何かもわからぬまま、少しづつ近づきながら写真を撮っていくと、さっきどこかに行ってしまったヤッコエイが砂をかぶって身を隠して眼だけ覗かせているのがわかりました。ガイドの人って、なんでこんなのがすぐにわかるんだろ・・・。

飲み過ぎ注意

今日はいよいよ石垣島でダイビングの日。日本国内でのダイビング・スポットで、おら的ランキング1位の海ということもあり、朝からテンションMAXなはずが、胃が非常に重い。
昨日飲んだ泡盛で二日酔いになってました。
酔い止めを飲む為に胃に優しそうなものだけ食べて、迎えの車でショップに向かいましたが、石垣牛がのんびりと餌を食べる姿も、沖縄本島よりも若干、大きく育っているサトウキビ畑もろくに目に入らず、こみあげてくる何かと戦いながら遠い目で空を眺めていました。ショップについてから気持ち悪いのを堪えて準備を済ませましたが、思い切って中身を出してしまったほうが楽だと思い、トイレに駆け込んで内部留保を放出。いくらか気分がよくなったので、車で港に向かい乗船しました。
今日は雨が降ったりやんだりのあいにくの天気ですが、船が走りだしてものの5分と経たないうちに船酔いが始まり、天気どころではなくなりました。さっきの放出作業で、せっかく飲んだ酔い止めも返却してしまったのが原因です。前に石垣島に来た時もこんなことがあったなと思いながら、ダイビング人生で3回目の餌付けショーを開催。たくさんの魚が駆けつけてくれたのが、船の上からでもよくわかりました。