雪の太宰府

天神駅から西日本鉄道太宰府行きの直通列車に乗りこみましたが、先に進むにつれて辺りに残雪がちらほらと見えてきました。そういえば福岡って結構、雪が降るって聞いたようなと思いながら、車窓を眺めているうちに太宰府駅へ到着。まさに“天満宮にお参りに来る人専用”の路線と言う感じで、乗り換えの『西鉄二日市』からは2駅しかありません。駅を出てお土産屋さんが並ぶ参道をずんずんと進み、10分ほどで天満宮の入り口に着きます。
雪の影響で庭園を迂回しながら進むように案内が出ており、大きな池と朱塗りの橋を中心にした庭園を眺めながら奥へと進みます。お手水で手を洗って口をすすいで頭を上げると、目の前に馬のような動物の像が立っているのが目に入り、そばに寄ってみると『麒麟像』。麒麟はビールのラベルにも描かれている伝説上の生き物で、菅原道真を聖人として敬う目的でペリーが黒船で日本にやってくる1年前に寄贈された品だそうです。隣の『鷽像』は“うそ”という鳥の像で、菅原道真を主神とする天満宮で行われる『鷽替え神事』にならって奉納されたものだそうです。ちなみに『鷽替え神事』とは1年の災厄や凶事を天神様のお力で“嘘”としてしまうという趣旨の神事だそうです。菅原道真と言えば“梅の花”が思い浮かびますが、天満宮全体と言えば“鷽の鳥”が定番になるそうです。知らなかったわー。
本殿は敷地の割にそれほど大きくありませんが、トレードマークの梅の木が参拝しに来た客を挟み込むような配置で左右に植えられており、合格者発表シーズンにはいい絵が撮れるんだろうなと思いつつ、花粉の頃に見に来るのは真っ平ごめんだなとも思ったり。本殿の中では、参拝客の祈祷依頼で神職の方が何やら神様に申し上げているようで、縦書きの文章を何やら読み上げていらっしゃいました。きれいに磨かれた鏡を前にお供え物が置かれ、いい雰囲気かと思えば、神職の方がメガネをしているのがなんだか違和感。時代劇を見ていたら、上様がナイフとフォークでステーキを食べてました的な感じを受けましたが、別に神職の方はムード作りでやってるわけではないので、仕方ないねと諦めて天満宮を後にしました。
≪後日談≫このブログを書きながら、衣冠束帯でメガネかけてる写真て見た記憶があるなと思ったら、昭和天皇が即位の大礼のときに正装でメガネかけておられました。これも時代の流れなのかと当時の人たちは思ったのかどうかは、残念ながら知るすべもありませんね。
帰りの列車まで少し時間があるので、帰りの参道は少し余裕を持ってお土産屋などを見てまわりました。といっても荷物を増やすのを極力避ける方向で行動しているので、参道のお土産屋の一つ『堀米商店』さんで、こちらのお店限定のリラックマ“梅でだららん”と“梅とコリラックマ”のみ購入。あとは途中で『太宰府バーガー』なる看板を見かけたので、“太宰府バーガー”と“合格バーガー”を1つづつ買って帰りました。