道後温泉本館で湯治気分(写真は道後温泉3階個室休憩所)


市電で道後温泉駅まで行き、ようやく晩御飯を食べることに。というか、昼飯抜いてるし・・・。道後温泉の商店街の中にある食堂で南予風の鯛めしを2種類、食べました。一つはご飯の上に鯛の刺身を乗せてから、醤油ベースのタレと薬味、とき卵をかけ回し、蓋をして少し蒸らしてから食べるもので、もう一つはタレをとろろに混ぜて薬味と一緒に鯛の刺身の乗ったご飯にかけて、よく混ぜて食べるものです。2つは無理かとも思いましたが、昼飯抜きの効果は絶大で、問題なく完食しました。好みとしては卵かけのほうがいいかなぁ。
食道を後にして、ホテルに戻ってお風呂セットを持ち出して道後温泉本館へ向かいます。前に来た時は一番安い『神の湯』の方に入るだけでしたが、今回は奮発して3階の個室を借り切って『霊の湯』と呼ばれる方のお風呂に入る方にしてみました。オフ・シーズンなので個室に空きがあったのが決め手でした。ちなみにこの道後温泉本館には、皇族専用のお風呂『又新殿』があり、実際に入浴されたのは昭和天皇が最後ですが、今上天皇も湯殿をご覧になっているそうです。
靴を預けて3階に上がり、荷物を個室に置いて先に『又新殿』の見学に向かいます。従業員の方の説明を聞きながら、中を見ることができますが写真撮影は不可。中から奥へ玄関の間、御居間、玉座の間と続いており、玉座の間には当然、上がることは不可。現在も、昭和天皇が腰掛けられた玉座が白いシーツが被せられて置かれています。襖絵や金箔や銀箔等も建築時のままなので、銀箔は酸化して黒くなっていました。
御居間に続く浴室は、最上級の御影石で作られており、陛下は湯船には直接浸からずに、浴衣を着たままふちに腰掛けられて、お付きの人が左右からお湯をかけるという入浴作法だったとか。湯船に浸かって「ふぃ〜」とか「あ゛〜」とか唸りながら顔をざぶざぶ洗うようなことはなされないようで、皇室に生まれるのも大変だなと庶民のおらは思いました。ちなみにお手洗いも設置されていますが、こちらをご利用になった皇族は今まで一人もいないということでした。
見学を済ませて、個室に戻って専用の浴衣に着替えて『霊の湯』へ。浴衣は2階の大広間の休憩場を使う人にも貸し出されていますが、従業員の人が見分けをつける為か、模様が異なっており、2階の人は湯玉模様で、3階の人は白鷺の柄になっています。『霊の湯』はおらの記憶では『神の湯』より若干湯船が広めで、御湯の沸きだし口も2つありました。人もおら以外には2人しかおらず、のんびりしたもので、心ゆくまで「うぃ〜」とか「ふぇ〜」とか唸りながら湯船に浸からせてもらいました。
部屋に戻る前に資料展示コーナーで、道後温泉本館で使われてきた色々な食器等の展示を眺めて一息ついてから個室に戻り、従業員さんに声をかけると緑茶と坊っちゃん団子のサービスが受けられます。障子を開けて外の様子を見ていると、建物の内側を向いた部屋だったので、建物の真ん中に神棚が祀られているのがよくわかりました。三階の奥には夏目漱石が通った頃の状態を保存したという『坊っちゃんの間』というのがありましたが、人が多く見に来てたのがどうにも興ざめだったので、ちら見しかしませんでした。