沖縄と中国と日本の文化の融合する場所、『識名園』

名護のバスターミナルに着き、高速バスで那覇空港へ向かいました。沖縄の渋滞はひどいものだと聞いていたので、渋滞に備えて2時間ほど余裕を見ていたのですが、まったくの杞憂に終わり、石垣島行きの便が出発するまでに3時間近く時間が空いてしまいました。搭乗手続きを済ませて荷物をを預けておき、空港の観光案内で時間をつぶす場所を探していましたが、今まで『識名園』に行ったことがなかったので、こちらへGO!
識名園へのアクセスは、モノレールで終点の首里駅まで行き、そこからタクシーで5〜10分ほどになります。識名園とは、幕末の頃に琉球王朝が中国からの施設の滞在に備えて建築した、広大な庭を持つ屋敷で、国王の別荘としての役目も持っていたそうです。中国様式と沖縄独自の文化の折衷ということで、同じ沖縄にある福州園という中国式庭園に比べると、人工物が少なく、非常に植物が多い場所で、暗くならない程度に生い茂った木々が沖縄の厳しい日差しを和らげてくれるので、非常に過ごしやすい場所になっています。御殿は平屋の和風の建物で、首里城のイメージとはだいぶ違った落ち着いた雰囲気です。中には畳敷きの茶室があったりして、思わぬ日本文化の影響が見られました。
ちなみに、この庭園の中では築山や植込みをうまく使うことで、海を見えないようにする工夫がされており、中国からの使節に対して、海が見えなくなるほどの奥行きのある広い国であると思わせる、涙ぐましい努力をしていたという話が残されています。庭園の端の方には「ハブに注意!」という看板があり、ぎょっとさせられることが再三ありましたが、暑い日差しにうんざりした時に訪れるには、とてもよいところでした。